イタリアン・プログレッシヴ・ロック、ブリティッシュ・プログレッシブ・ロックに続くストレンジ・デイズ・マスターピース100シリーズ第3弾「70年代日本のロック100」が刊行されました。先の2冊は岩本晃市郎単独監修でしたが本作の監修は岩本晃市郎+小島智の連名となっています。そしてタイトルは「70年代の日本のロック」であって「70年代の日本のプログレッシヴ・ロック」ではありません。残念ながら。
構成的には前2作を踏襲し、70年代の日本のロックの代表作100枚を選びつつ、その周辺作品も多数紹介していくというスタイル。「日本のロック」の定義は明示されていませんが、逆に定義を明確化せずに幅広く選んでいるようにも見えます。その結果、スペースサーカス、ムーンダンサー、新月がキャロル、サザンオールスターズ、ARBと同居するというこれまでの日本のロックの評価軸からは考えられないセレクトになっており、これはこれで痛快です。
一方、シュガーベイブや矢野顕子は選出されながらも、荒井由実やオフコースが選ばれてないのはなんでかなとか(そこがロックと非ロックの線なのか、単に評価が低かったのか)。あと70年代といいながら60年代の作品や80年リリースの作品も結構選ばれてたりします。ま、その辺は緩めにやってるんでしょう。
プログレ観点からは、洋楽プログレファンにも評価されず、日本のロックファンからも無視されてきたムーンダンサーが選ばれてるだけでも感動的です。これまでプログレ系で評価されていた日本のバンドって、四人囃子、フラワートラヴェリンバンド、ファーイーストファドミリーバンド、以上て感じがするのです。ムーンダンサー(厚見玲衣)関連作としてタキオン(未CD化、名盤)や、難波弘之とのツインキーボードによるSense of Wonderの真幻魔大戦(超名盤)もちゃんと紹介されてます。
「日本のロック」全般を幅広く聴いてはいないので、未聴の作品も多く、ソー・バッド・レビュー、ウシャコダ、TENSAWなんて名前さえ聞いたことなかったです。あと細野晴臣ってすごいんだなーとか。
さて、シリーズ第4弾は「21世紀のプログレッシヴ・ロック100」(監修:祖父尼淳+岩本晃市郎)、2013年1月18日発売とのことです。各国別の70年代に続いて21世紀なもんで、80年代と90年代の作品の行き場がなく、次は「80年代、90年代のプログレ」編を出してほしいです!!
本日発売 ストレンジ・デイズの音楽解説書「70年代日本のロック100」入荷!|mHOLIC 芽瑠璃堂スタッフのブログ(2012/12/7)
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