難波弘之の活動範囲の広さ、多彩さは音楽界広しといえども右に出るものないくらいですが、さらに新しいプロジェクト、エデン(eden)が加わり、その最初となるアルバムがリリースされました。
新たなプロジェクトといっても、制作開始からリリースまで6年がかりという入魂作。基本的には打ち込み中心のプライベートな感じの作品ではありますが、ギターに土屋昌巳、ボーカルに上野洋子と豪華ゲストを迎えての、難波弘之らしいアルバムです。「La Boheme」「Ice World」などバンドアレンジでセンス・オブ・ワンダーの曲にしてもよさそうなシンフォニックな曲もありますが、全体的にはプログレ色は薄いです。むしろ、上野洋子のボーカル曲などで聴かれる内省的かつ癒し系のポップスアルバムという評価が正しいかもしれません。最初、難波弘之のソロということで、センス・オブ・ワンダーばりのプログレを期待してしまったために、打ち込みのリズムはやや物足りない感じがしましたが、むしろ無機的にさえ聞こえる打ち込みのリズムが全体を控え目でありながら印象深いアンビエント的なものにしていると思います。