今でもオリジナルは激レアらしい1969年リリースのクリス・ブリットン(Chris Britton)の唯一のアルバム「AS I AM」。クリス・ブリットンはトロッグス(Troggs)という有名なバンドのメンバーだった人らしいですが、トロッグスは聴いたことがないんで・・・。 RDM10号では「乞うCD化やね」などと紹介されている作品ですが2004年にCD化されており、オリジナルが激レアとかあるとCD購入モチベーションが高まるという、自分でも珍妙な話だとは思いつつ、手に取った次第であります。
個人的にはメロディがもう少し良ければなどと勝手なことを思いますが、全体としては一風変わったフォークという感じで愛すべき作品。全体の雰囲気を決めているのは多彩な音色を活用したアレンジで、これは本作のプロデューサーも兼ねるキーボードプレイヤー、コリン・フレッチャーの貢献によるところが大きいのでしょう。1曲目のイントロの怪しいフルートで一気にあちらの世界に連れ去られる感じです。その後も唐突な感じのするホーン、そして「Sleep My Love」などで聞かれるチェンバロと、ちょっと違和感を持つようなアレンジがある意味絶妙な味付けになっており、幻の名盤の名にふさわしい内容です。コリン・フレッチャーについて調べてみましたが、残念ながら詳しい情報を得ることができませんでした。この独特のセンスが他でも聴けるなら聴いてみたいと思いました。