ロッキングオンが「創刊以来初」(同誌)というプログレ特集を組んでいます。表紙はキング・クリムゾン。内容的には、ロバート・フリップの1973年と1991年のインタビュー2本(翻訳・転載および再録)と編集部セレクトのプログレ傑作選30作です。
ロバート・フリップのインタビューはいずれも禅問答のような内容で笑えますね。30作は、英5大バンドが仲良く2枚ずつ計10枚、ジャーマンロックが数枚とフォーカス、マグマ、PFMなどが入ってますが、基本は70年代のイギリス。
意外なところでは、ラッシュの「ムーヴィングピクチャーズ」と801の「LIVE」が選ばれているところでしょうか。ラッシュはベスト30傑に十分入り得るクオリティとは思いますが、日本での評価はそれほど高くないので目を引きました。801は、すいません、不勉強ながら知らなかったですが、フィル・マンザネラのプロジェクトなんですね。英5大バンドの名盤群に匹敵する評価なわけなので入手して聴いてみたいと思います。
80年代以降現代に至る新世代のプログレには言及なし。懐メロ回顧で読者の気を引くような編集方針ではないはずなので、ロッキングオン的にはプログレは70年代で終わったというメッセージが込められているのかもしれません。
1972年創刊の同誌ですから、当時はプログレバンドも多数取り上げていたと思いますが、それがメインストリームだったからであり、マイナージャンルに落ちぶれてからはことさらに特集する必然がなくなったのでしょう。であれば今回なぜ初の特集を組むに至ったか知りたいところです。
あと、すごいどうでもいいんですが、1978年8月号に7ページほどの特集「今、プログレッシヴロックは」が載っていることに気づきまして、創刊以来初じゃないじゃん、とか思ったり思わなかったり。
rockin'on 2014年5月号|rockin'on RO69
30 Masterpieces Of Progressive Rock
2 本立てのロバート・フリップ・インタヴューと、キング・クリムゾン、ピンク・フロイド、ELP からイエスまで、ロッキング・オンが選出するプログレッシヴ・ロックの30枚! プログレ徹底検証テキストとともにお届け