ジム・マッカーティ(Jim McCarty)といえば、ヤードバーズ(Yardbirds)、ルネッサンス(Renaissance)、イリュージョン(Illusion)などの主要メンバーですが、私にとってはイリュージョンのジム・マッカーティと言うのが一番しっくり来ます。ヤードバーズ解散後、キース・レルフ(Keith Relf)とルネッサンスを結成した際は、音楽性がヤードバーズとあまりに異なるためがっかりしたファンもいたようですが。
さて、そのジム・マッカーティが1994年に発表したソロアルバムが「Out of the Dark」。イリュージョンの魅力は、ジェーン・レルフ(Jane Relf)のボーカルが大きな割合を占めていると思いますが、それがすべてというわけではなく、あの少し湿ったような歌声が生きる暗く物悲しい楽曲や演奏との相乗効果だったんだ、ということをこのソロアルバムを聴くと感じます。このアルバムにもジェーン・レルフがゲストで参加はしているものの、ボーカルはほとんどジム・マッカーティ自身が取っており、それでもなぜか、聴いて受ける印象がイリュージョンと同じなのです。暗く物悲しい湿った感じ。好きなんですこの感覚が。アニー・ハスラムのルネッサンスより、ジェーン・レルフのルネッサンスが好きなのは、単にボーカルの差ではなくこの雰囲気の差だと思います。