PROGRESSIVE ROCK ADDICT

英伊のみならず西北東欧・南北中米・アジア各国のプログレを愛聴。日本のも好き。目白や新宿、吉祥寺、川崎、関内にしばしば出没。 昔の音楽雑誌集めも。CITY POPやアイドルもよく聴いてます。音楽のことはよくわからないので、名盤とか名演とか言ってる場合、単に好きってことです。twitter: @ProgRockAddict

桑名将大(正博)が女性アーティストの曲を歌う「WoManiac」

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桑名将大(=桑名正博、1983年当時は将大と名乗っていた)が1983年にリリースしたアルバム「WoManiac」。すべての曲を女性アーティストから提供を受けるというコンセプトで制作された異色のアルバム。
 
2012年10月の訃報に際してテレビで繰り返し流れていたのは「セクシャルバイオレット」ばかりですし、死後ベストや復刻盤が出ているものの以前一度CD化されただけで現在廃盤の本作の再発はなく、なかなか陽の当たることのない作品ですが、吉田美奈子、竹内まりや、尾崎亜美ら豪華なアーティストが、名曲を多数提供した素晴らしい作品です。
 
曲提供だけではなく、アレンジや演奏のメンバーも曲によって異なっていながら、煌びやかなシンセやブラス、ストリングスのアレンジがセンスを感じさせ、男の色気がある桑名将大のボーカルが最大限生かされた大人の音楽、まさに和製AORの名盤に仕上がっていると思います。
 
レコードでは初回盤限定オマケのソノシート、CDではボーナストラックに収録の2曲は、当時の妻であるアン・ルイスの名曲「リンダ」(竹内まりや作詞作曲)、「シャンプー」(康珍化 かんちんふぁ 作詞・山下達郎作曲)のカバーが収録されており、こちらがオマケとして聴き逃すと後悔してしまうほどの名カバー。
 
歌詞がオリジナルとちょっとだけ違うところがさらに憎い演出で、アン・ルイスの歌うオリジナルでは、2曲とも女性が失恋した同性の友人を勇気づける歌なんですが、桑名バージョンでは、男性が失恋した女友達を慰める設定になってます。歌詞の違いはごくわずかなのに、関係性が変わるだけで切なさ倍増! もともといい曲ですけどますます涙なしには聴けません。
 
本作は、日本のロック黎明期のレア盤復刻や未発表作品の復刻で気を吐いたハガクレ・レコードから2003年にCD化されていますが、中古でもみかけることのないレア盤。むしろレコードの方が見つかりやすい可能性がありますが、ソノシート収録の2曲は超重要なので、ソノシートが付いているものを入手すべきでしょう。
 
<収録曲(番号はアナログレコード、収録曲はCDと同じ)>
A-1.GROOVY NIGHT  詞:リリィ 曲:太田裕美
A-2.Sweet Rain  詞:小柳ルミ子 曲:吉田美奈子
A-3.Fool's in Love  詞・曲:竹内まりや 
A-4.Midnight Kiss  詞・曲:竹内まりや
A-5.Heart Beat  詞・曲:桑名晴子
B-1.Lady Sniper  詞・曲:尾崎亜美
B-2.Destiny  詞・曲:太田裕美
B-3.満ち潮午前零時 詞・曲:アン・ルイス
B-4.Shining Star  詞:阿木燿子 曲:吉田美奈子
B-5.生まれたてのイブになれ  詞・曲:尾崎亜美
SS-1.リンダ 詞・曲:竹内まりや(オリジナル:アン・ルイス)
SS-2.シャンプー  詞:康珍化 曲:山下達郎(オリジナル:アン・ルイス)
 
WoManiac/桑名将大 1983 KITTY RECORD/28MS0029
 
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