シンデレラサーチの新作「NEXT WORLD」が2014年4月ついにリリースされました。前作2nd「Stories Of LUMINOUS GARDEN」が出たのが2001年なので実に13年ぶり。構想自体は2ndリリース直後から温められていたもので、13年がかりの作品でもあります。曲の一部も当時すでに完成しライブで披露されたこともあるもので、10年以上の熟成期間がもたらす作品の進化も聴きどころ。
待望の作品を聴いてまず思ったのは上手くなったなということ。仲村アキヒサのボーカルも無理なく声が出てるようですし、演奏もプロっぽくなっています。シンセやソフト、レコーディングやエンジニアリングなどの進化や低価格化の影響もあるのかもしれませんが、総じて作品、商品としての完成度が高くなっているという印象を受けました。
親しみやすいメロディをシンフォニックなアレンジで聴かせるサウンドの雰囲気は以前と変わらずで、完成度が一段上がった分、よりスケールの大きさを感じさせる日本的シンフォニックロックの傑作として数えられる作品になりました。
私は1stアルバムリリース直前の1992年にシルバーエレファントで初めてライブを見て(この時は仙波基のプロジェクトが対バンだった)ファンになり、翌年出た1stアルバムは当時本当によく聴いたものです。曲ごとのコンセプト(お話)に基づく歌詞やコスプレパフォーマンスはピーター・ガブリエル時代のジェネシスのオマージュで、曲もジェネシスの直接の影響に加え、ポンプロックなどジェネシスフォロワーからの影響もうかがえます(バンド名はIQの曲からとられたもの)。
ポンプロックという言葉は今ではあまり使われなくなっていますが、曲やアレンジの良さ、演奏のノリの良さで、正真正銘プログレでありながら、ちゃんとポピュラリティもあって人気が高まる現代プログレバンドにはポンプ的な要素が多分に含まれてますし、シンデレラサーチは日本のバンドとしてその路線の先頭に立っているのではないかと思います。このアルバム限りで終わることなく、活動継続してほしいいものです。
Cinderella Search / The Suite "Next World" Album Teaser