1984年にリリースされた「時の葬列」が30周年記念盤としてリマスター紙ジャケ再発されました。
「時の葬列」とはオートモッドのジュネがバンド解散を決定して企画したライブシリーズで、本作はそれと連動したスタジオ作。実際には各バンドの既出作からの寄せ集めとはいえ、大御所だったオートモッドはもちろんのこと、他の3バンド、サディ・サッズ、マダム・エドワルダ、ゲイ・シュミットとも当時の日本のニューウェイヴ/ポジティブパンクを代表するバンドであり、それぞれの代表曲各2曲計8曲は聴きごたえは十二分。
私の愛してやまないG-SCHMITTがメジャーのCDで聴けるのは本作収録の2曲と2003年に出たコンピ「GET THE PUNK-J PUNK&NEW WAVE」に収録された「Farewell」だけなので、余計に愛着ある1枚です。「Kの葬列」も「カソリック」も今聴いても色あせない名曲です。
ところで当時のオートモッドには、BOOWY(BOΦWY)の布袋寅泰と高橋まことが在籍(BOOWYと掛け持ち)しており、その後彼らがJ-POPの大御所として大成することを思うと不思議な感覚ではありますが、BOOWYも暴威とか言ってロフトなどに出ていた訳ですから、そういう時代だったのかもしれません。
この作品は2002年に一度CD化されており、その時は8曲目のAUTO MOD / Wandering Childがオリジナルとは別バージョンが収録されているのですが、今回はオリジナルと同じバージョンに戻され、紙ジャケ、リマスター、SHMCDということと合わせ決定盤的な内容です。前回別バージョン収録となった理由は不穏当とされた歌詞(「母を犯す」の部分と思われますが、それで自主規制とは大袈裟な気もします)にあったと思われるものの、ピー音による補正(同時期のインディーズ作TAKOなんかではピー音再発があった)ではなく、予めレコーディングされていた無難バージョンへの差し替えだったようなので、欲を言えば、今回無難バージョンも合わせて収録すれば、文句なしの決定盤となったのに、とマニアックな印象もちました。
このころの名作はG-Schmittの全作品をはじめ、いま気軽に聴けなくなっているものも多いですが、日本の(裏)ロック史上でも最重要な年代であり、CDでなくてもダウンロードでもストリーミングでもよいので、簡単にアクセスできるようにしてもらいたいものです。
ジュネはこの30周年記念盤が勝手に再発されたと最初怒っていたが解決した模様。まあ、レーベルは原盤権もって合法でやってるわけですからね。なんだかんだでAUTO-MODは全作再発されるらしいです。G-Schmittは???
バンドに無断でCDが発売されます!|CD無断発売事件解決いたしました。|フェティッシュダディーのゴス日記(ジュネ公式ブログ)
収録曲
1.時の葬列 / オートモッド(AUTO-MOD)
2.グラス・プラハ / サディ・サッズ(SADIE SADS)
3.プリンセス・リータ / マダム・エドワルダ(MADAME EDWARDA)
4.Kの葬列 / G-シュミット(G-SCHMITT)
5.ペアー・ドッグ / サディ・サッズ(SADIE SADS)
6.カソリック / G-シュミット(G-SCHMITT)
7.ロウ / マダム・エドワルダ(MADAME EDWARDA)
8.ワォンダリング・チャイルド / オートモッド(AUTO MOD)