1970年発表のツァー(Czar)の唯一のアルバム。プログレと言うよりはサイケの文脈で語られることが多かったことや、まったく期待感のないジャケットからも、これまで購入意欲がわかなかったのですが、英SUNBEAMからボーナストラック入りリマスター盤がリリースを機に初めて聴いてみたところ、意外にも(!)とてもよくできたアルバムでうれしい驚き。
ギターの雰囲気なんかはたしかにサイケっぽいんですが、オルガンやメロトロンの使い方はかっこいいし、メロディやアレンジはむしろポップなくらいで聴きやすく親しみやすい。メインストリームではないかもしれませんが、すくなくともカルトとかB級とかという評価は合わない傑作アルバムだと思います。
今回の再発盤には、アルバムのアウトテイク、シングル曲、デモなど8曲のボーナストラックが収録されていますが、これらも本編に劣らない佳曲ばかりで、このバンドのレベルの高さを再確認することができます。
メロトロンについてめちゃくちゃ詳しいサイトTokyo Mellotron Studio(すごい情報量ですよ!)では「プログレ前夜のMellotron」として「何か勘違いしているのでは?と思うほど自信満々な表現」と愛に溢れるコメントをもらっています(CD&RECORDのコーナーにて)。
このジャケットがぴったりという人もいるようですが、私はジャケットが違ったらもっと高い評価を受けていた(というか幅広い層から受け入れられていた)んじゃないかと思いますがどうでしょう?